しばらくすると、太陽は寝息を立て始めた。もう一度部屋を見回す。やっぱり普通に中学生の部屋だ。壁に野球選手のポスターが貼ってある。
(やっぱ、野球したいのかな)
机があって、本棚がある。本棚に並んでるのはマンガだったり、野球関係の雑誌だったり。
(エロいのはないのか)
当たり前だろう。こんな分かるところにSMの本とか置いてある訳はない。机を見る。PCとかは置いてない。
(オカズはなにを使ってるんだろ)
そっと太陽の手を離した。立ち上がって机の引き出しを開いてみる。特に何か変な物は入ってなかった。
「なにしてるの?」
太陽が目を覚まして僕に言った。
「オナニーとか、なにでやってるのかなって」
「そっち」
太陽は部屋の奥の小さな押し入れのようなところを指差した。そこを開く。
「その下の引き出しの奥」
そこを開いてみた。太陽のパンツが並んでいた。
「その引き出しを抜いて、その奥」
引き出しを抜いてみると、その奥にコンビニの袋に入った何かが押し込められていた。それを取り出す。
「なにこれ」
ディルドやローション。それにSM物っぽい同人誌。その本を取り出そうとすると、何かが落ちた。僕の画像・・・たぶん、学校で撮られた写真。それから、あの八重樫さん達としてた時のだと思われる僕の裸の画像が何枚もあった。
「盗撮してたのか・・・この変態が」
でも、そんなに嫌な気にはならない。
「ちゃんと元に戻しておいてね」
入っていた物を袋に戻して奥に突っ込んだ。
「僕の画像でもやってるの?」
「諒君の画像で抜いてる」
あの太陽がなぁ・・・今更ながら、変な気分だ。
「ほら」
太陽はまた手を伸ばしてくる。
「握りたいの?」
また同じことを繰り返す。
「もう・・・」
「だって、僕で抜いてるんでしょ?」
すると、太陽が少しはにかんだような顔で言った。
「そうだけど・・・でも、今はそうじゃなくて・・・・・」
「変態のくせに」
僕は溜め息を吐きながら、手を差し出した。太陽がその手をぎゅっと握る。
「諒君、大好き」
握ったままの僕の手を自分の頬に当てる。
「もう少しいてね」
僕は太陽の顔を見続けた。

太陽は寝息を立てている。
(もう大丈夫かな)
手を離す。太陽は少し赤らんだ顔で寝息を立て続けている。その顔をスマホで撮影する。顔を見続ける。勃起する。太陽の布団ににじり寄る。顔を近づける。太陽の寝息が僕の頬に掛かる。そのまま、僕は太陽の唇に唇を押し付けた。
ずっとそのままにする。そのまま押し付け続ける。
「ん、なに」
また太陽が目を覚ました。
「俺に・・・キス、してくれたの?」
太陽の顔が明るくなる。
「はあ?」
奴隷にキスしたくなった、なんて言えない。言いたくない。僕は言い訳を考えた。
「もう一つ、飲ませてやろうって思って」
太陽の顔の上に顔を重ねる。
「口、開け」
太陽は僕の命令通りにする。僕は口の中で唾液を溜める。それを太陽の口の中に滴らせた。
太陽は目を開けて僕をじっと見ている。僕がしていることをじっと見ている。そして、僕の唾液を啜るようにして飲み込んだ。
「おしっこ、精液、唾」
僕は言う。
「これだけ飲んで、明日風邪治ってなかったらお仕置きだからな」
「うん」
太陽は嬉しそうな顔でうなずく。
(飲まされたこととお仕置き、どっちが嬉しいんだろう)
僕は疑問に思った。
(たぶん、どっちもなんだろうな)
それが一番納得がいく答えだ。
「もうちょっと」
太陽が言った。
「なに?」
「もうちょっと、キス・・・じゃなくて、唾飲ませて」
(また甘えやがって)
でも、太陽に顔を近づける。口の中に唾液を溜める。
「諒君」
太陽が僕の頭に両手を回した。僕は太陽に抱き締められながら、太陽の口の中に唾液を流し込んだ。


翌日、今度は僕が熱を出して寝込んだ。


目を覚ますとベッドの横に太陽がいた。
「大丈夫?」
太陽は全裸だった。学校帰りに来て、寝ている僕の横で全裸で座っていたようだ。
「大丈夫じゃないよ。変態菌うつされたんだから」
そう言うと太陽は少し笑う。
「やっぱりそうだよね、あの時のキス」
そう言ってから言い直す。
「じゃなくて、唾、飲ませてもらったの」
(間違いないだろな)
あの日の夜から何となく寒気がしていた。そして、朝になると熱が出ていた。
「心配したんだよ」
僕は布団の下から手を出した。その手を太陽が握る。
「違う」
太陽は立ち上がり、中腰になって僕の手の上にちんこを置いた。それを握る。手に力を入れたり抜いたりして、それをゆっくりと揉む。
「あっ勃つ」
すぐに太陽は硬くなる。
「治ったとたんこれだもんね」
僕はそれを握り続ける。
「ああ・・・」
太陽が声を漏らす。
「感じてるんだ、変態」
「だって・・・」
太陽が何か言い掛けた。僕は太陽の顔を見る。
「お仕置き・・・してほしい」
そうつぶやいた。
「僕、風邪引いてるのに」
「風邪引いてる奴におしっこと精液と唾飲ませたの誰だよ」
寝返りを打って太陽に背中を向けた。
「奴隷は大人しく待ってろ」
「はい」
神妙な返事が聞こえた。

少し眠って目が覚めた。もう太陽は帰ったかな、と思って寝返りを打つと、そこに太陽はいた。まだ全裸のままだった。
「また風邪引くぞ」
そういうとにこっと笑う。
「いいよ、また薬飲ませてもらうから」
「この変態が」
僕はまた背中を向けた。すると、太陽が僕の後ろから額に手を当ててきた。
「少し下がったかな」
その手が冷たくて気持ち良かった。
「握って」
僕は言う。そして、少し布団を持ち上げた。
「いいの?」
何も言わなくても太陽が布団の中に手を入れてくる。僕は布団の下でパジャマをずらす。太陽の手が僕に触れる。
「入れるよ?」
太陽が僕のボクブリに手を入れてきた。ひんやりした手が気持ちいい。その手が僕を握る。軽く力が入る。
「そのまま」
太陽はそのまま手を止める。
「下、脱がせてよ」
太陽が少し驚いた顔をした。
「いいの?」
うなずく。そして、下半身を覆っていた布団を捲り上げた。太陽が布団に乗る。僕のパジャマのズボンを引っ張った。
「ホントにいいの?」
僕がうなずくと、僕のボクブリを下ろした。
「諒君のパンツ脱がせたのって、初めてじゃなかったっけ?」
(そうかも知れないな)
太陽は僕の下半身の上で四つん這いになった。
「触ってもいい?」
僕は無言でうなずく。太陽が僕のちんこをつまんで顔を近づける。
「諒君のちんこ、ちゃんと見るの初めてかな」
公園のトイレの薄暗いところでとかなら見せたことはある。でも、こんな真っ昼間の明るい所で、こんなに顔を近づけられて見られたのは初めてだったかも知れない。急に恥ずかしくなってきた。
と、太陽は僕のちんこを咥えた。舌で刺激してくる。太陽の鼻息が荒くなっている。
手が僕の股間の毛を撫でる。
「諒君の毛、柔らかいね」
僕の体を撫で回す。
「くすぐったい」
太ももを撫でられる。
「お尻、見せて」
僕が返事する前に、足を持ち上げられる。
「諒君のお尻の穴・・・」
太陽がつぶやく。顔が赤くなる。
「熱上がった? それとも、俺に見られて恥ずかしい?」
「奴隷のくせに」
僕は顔を背けて言う。太陽が顔を穴に近づける。
「諒君の穴、いい匂い」
「この、ど変態が」
でも、太陽は穴の匂いを嗅ぎ続けている。
「舐めろ」
僕は言った。お尻の穴に何かが触れる。太陽の舌。それが僕の穴を這い回る。
「変態」
太陽は舐め続ける。穴だけじゃなくて、その周りも舐める。
「穴、緩めて」
太陽に言われるまま、僕は穴から力を抜く。その中に太陽の舌が入ってくる。
「ああ、諒君の穴舐めてる」
太陽は自分で扱きながら舐めている。
「嬉しい・・・」
なんだか僕も気持ち良くなる。ちんこを握る。太陽が僕の玉を吸う。
「風邪治ったら覚えてろよ」
太陽は笑う。
「お仕置きだよね」
うなずく。
「取りあえず、自分で扱くの禁止」
「うん、分かった」
また僕の穴を舐める。
「そのまま、寝るまで舐めてろよ」
そう言って僕は目を閉じた。

次に目が覚めたとき、太陽はいなかった。僕のボクブリとパジャマはちゃんと上げられていた。きっと太陽が服を直していってくれたんだろう。
(結局、僕は太陽をどうしたいんだろうなぁ・・・)
いつまで考えても、その答えは出なかった。



夢を見た。悪夢。
どこか暗いところ。部屋の中なのか外なのかも分からない。ただ、目の前に太陽がいる。そこだけは明るく照らされている。
太陽は逆さ吊りになっている。全裸だ。乳首に針が刺さっている。ちんこにも針が刺さっている。僕はその体に、八重樫さんの家で見た、あの重くて長い鞭を振るっていた。
「ぎゃぁ」
太陽が悲鳴を上げる。その体に赤い筋が出来る。いや、ただの筋じゃない。皮膚が裂けて血が流れ出す。僕はその滴る血を舐める。太陽を見る。太陽が怯えている。また鞭打つ。太陽の体が揺れる。さっきの皮膚の裂け目の少し下、お臍の辺りに新しい裂け目が出来る。また太陽の顔を見る。太陽の怯える目。恐怖で引きつる顔。そんな顔を見て、僕は嬉しくなる。そんな太陽の顔を撫でる。キスをする。
「ご主人様・・・助けて」
太陽がか細い声で僕に言う。僕は笑う。太陽は何を言ってるんだろう。僕の奴隷のくせに。僕の物のくせに。僕の玩具のくせに。
太陽の皮膚の裂け目に爪を立てる。太陽の顔が歪む。そこに指をねじ入れる。皮膚を裂く。両手を突っ込んで、まるで左右に扉を開くかのようにこじ開ける。皮膚が裂ける感触。それが拡がり、どぼどぼと太陽の暖かい内臓が溢れ出す。その暖かい内臓、たぶん、腸を拾い上げて、僕の勃起したちんこに巻き付ける。太陽の腸が温かい。それを辿って行くと、太陽のお腹の中だ。手を突っ込む。何かが手に触れる。何かの内臓。それをぎゅっと握る。ブチュッと潰れる感触。太陽の顔が歪む。そんな顔を見ると興奮する。手を体の奥に突っ込む。骨に当たる。それを握って折り曲げる。太陽が呻く。呻き声が嬉しい。手を太陽のお尻の方に向ける。奧に突っ込む。その手がどこかに出る。太陽の後ろ側を覗き込むと、お尻の穴から僕の拳が突き出ている。前は外から中に入れた。今は中から外に僕の腕が出ている。あの時のように手を動かした。

「気持ちいい?」
太陽は顔をしかめている。何かを我慢しているんだろう。
「なにを我慢してるの?」
(痛みであって欲しいな)
僕は思う。太陽が何かを言おうと口を開く。その口から血が溢れ出す。
「どうしたの?」
僕の声が弾んでいる。
「痛いの?」
腕を押し入れる。
「死にそう?」
そして、一気に引き抜く。
「ぐあぁ」
太陽の悲鳴。
「あの時はイっちゃったのに、反対方向はだめなんだ」
手を太陽の体から引き抜く。太陽の腸を指に絡ませながら、ちんこに戻る。ちんこに巻き付けた太陽の腸ごと、それを扱く。太陽の暖かい腸が気持ちいい。太陽は僕を見ている。扱きながら、また鞭打つ。今度は腕がもげて落ちる。その腕を拾い上げ、太陽の穴に押し込む。太陽が気持ち良さそうな顔をする。
「やっぱり外から突っ込むのは気持ちいいんだ」
太陽のちんこを掴む。それを引っ張る。太陽が呻く。
「このまま千切っちゃおうか」
太陽は涙目だ。その表情が嬉しい。その表情に興奮する。僕は太陽のちんこを引き千切る。太陽の体は血だらけだ。そんな太陽を見ると興奮する。痛そうな太陽。苦しそうな太陽。辛そうな太陽。死にそうな太陽。そんな太陽を見て僕は扱く。胸が弾む。心臓がどきどきする。気持ちいい。
「イくよ」
僕は太陽の体に射精した。血塗れの体に僕の白い精液が飛び散った。

「うわっ」
僕は飛び起きた。
「なんだ、この夢」
寝ている最中からそれは夢であると分かっていた。でも・・・
「なんで・・・」
ボクブリの中がぬるぬるしていた。あの、太陽の穴に初めて腕を突っ込んで、引き抜いた時のように。僕は生まれて初めて夢精していた。
(あれって・・・僕は、太陽をあんなふうにしたいんだろうか)
首を左右に振った。
(あれは普通じゃない。あんなこと、したい訳がない)
太陽ならひょっとしたら、とは思う。でも僕はあんな変態じゃない。あんなことしたいと思う訳がない。
(太陽と付き合ってから、僕はおかしくなってる)
これまで太陽にしたこと、太陽にさせたこと、そして太陽に対する想い。全部少し前には考えられないようなことばかりだ。
(このままいったら、僕、どうなるんだ)
さっきの夢のようなことを本当にするようになるんだろうか。あり得ないとは思う。でも、太陽とのことだって少し前にはあり得ないと思うようなことばかりだ。ってことは、あり得ない、とは限らないかも知れない。
(僕、どうすればいいんだ・・・)
前に太陽は何をするのか分からなくて恐ろしいと思ったことがあった。だけど、僕だって同じだ。このまま太陽と今までのようなことを続けて行くと、僕だって何をするようになるのか分からない。さっきの夢だって恐ろしい悪夢だ。それなのに僕は夢精していた。つまり、あれは僕にとって興奮するようなことなんだ。
(これが、僕が太陽にしたいこと、そんな筈は・・・)
混乱していた。
でも、ちんこは勃起したままだった。

      


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